東洋医学あれこれ　その16「 わだかまりを持たない生き方 」

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「 消極的な感情が沸き起こっても執着しない 」
では、さっそく中身を見てみましょう。

消極的な感情とは「 恐れ 」「 怒り 」「 悲しみ 」などの
感情を指しています。

東洋医学では、五臓〔肝心脾肺腎〕が損傷すると
過剰に反応して「 怒、喜、思、憂、悲、恐、驚 」の
七情が現れると考えています。

７つの感情〔七情〕に振り回されてしまうと、
気が病む、即ち「 病気 」になると考えています。

では、どうするの？

「 心にわだかまりを持たない：恬愉（てんゆ） 」
ことが大切であると養生法で教えているんです。

また、七情に振り回されると五臓を傷つけるてしまう
と考えているので、五臓の治療をします。

一方、天風先生は「 腹の立つことがあっても、
悲しいことがあっても立ち止まらずに
常に前を向いて進みなさい 」と教えています。

「 虚心平気（きょしんへいき） の気持ちが
最高に積極的な心 」と天風先生は云います。

「 虚心 」は心にわだかまりをもたないこと。
「 平気 」は心を落ち着かせること。

例えば、

失敗してしまった時には…、
その失敗にいつまでも落ち込んでいるのではなく、
次に自分が出来ることを考えて前に進む。

誰かに怒りの気持ちを感じた時には…、
その気持ちにいつまでも振り回されていないで、
気持ちを切り替えることと教えています。

生きているかぎり消極的な感情を感じなくなることは
できませんから心の持ち方が重要ということですよね。

自身の心を消極的から積極的なものに変えるために
日常生活で次の5つの心がけを説いています。

１．内省検討
２．暗示の分析
３．交人態度
４．取越苦労厳禁
５．正義の実行

もう少し詳しく紹介しますね。

１．
いま、自分が考えていることは積極的か消極的か
常に自分の状態を客観的に観察、分析。
消極的思考になっている場合には、
すぐにその思考を追い出すようにする。

２．
私たちの日常生活は暗示に満ちています。
テレビからの楽しいニュースは心を明るくさせ、
悲惨なニュースは心を暗くさせます。
他人から聞く言葉も暗示です。
常に身の回りの暗示を分析して、
積極的な暗示を多く取り入れる。

３．
自分自身も相手に暗示を与える存在です。
特に、「つらいわよね、さぞかし大変でしょう」等の
同情は相手にも自分自身にも消極的な暗示が入ります。
励ましの言葉以外には口に出さない。

４．
未来を思い悩んだり、過去の失敗を後悔しても
どうすることもできません。
人間がどうにかできるのは「今」だけです。
無駄に心のエネルギーを消費しない。

５．
正義とは、やましさやうしろめたさを感じずに生きること。
本心、良心に従って行動すること。

これらを常に心がけていると
自然に積極的な思考、言葉、行動の習慣がつき、
「 虚心平気  」で居られるようになるそうです。

「 どんな目にあっても、どんな苦しい目、
どんな思いがけない大事にあっても、
日常と少しも違わない、平然としてこれに対処する。
これが私の言う”積極的精神”なんであります。 」
中村天風

「 治療 」と「 心がけ 」を身に付ければ、
臨床でも私生活でも役に立つこと間違いなしですよ。

p.s.

他にも紹介したいページがありましたので、
ぜひ、お手に取ってお読みくださいね。

「 理想は心に具体的に描くことで実現する 」
という章の話です。

常に前向きにより良くなることに向かって進む。

具体的にどうなっていたいのか？を常に想像して、
「 いまこの瞬間をゴールに向かって生きる 」
こんな生き方を続けたら運命変わりますよね。