東洋医学あれこれ　その９「 それは誰の課題？ 」

「先生、〇〇さんと実技を組みたくないです」

はりきゅう学科には、18歳から60歳代の方まで
幅広い年齢層の方が学んでいらっしゃいます。
老若男女を対象に実技練習をできるのも
魅力のひとつではあるんですが…

＜イラストACはイラストが無料!＞

稀にコミュニケーションが苦手な学生さんから
上記のような悩みを打ち明けられることがあります。

キネシオロジー × はりきゅう
からだの声を聴くはりきゅう師の大嶋です

＜質問＞
さて、こんな悩みを聞いたらどの様に対応しますか？

学校というところは小さな社会です。
ここで起こる様々な問題は何も特別なことではなく、
世に出れば多かれ少なかれ体験するものです。

クラスには社交的な人、内向的で物静かな人、
気の荒い人、自分の意見を言えない人、
体格の良い人、痩せている人など、マッチョなど
老若男女いろいろなタイプの人と関われます。

また、「 はり師・きゅう師になる 」目標は共通ですが、
そこにたどり着くまでの方法論もやり方も人それぞれ。

個性の違うメンバーが半日過ごすわけですから、
何も起きないことの方が奇跡です。
必ずと言っていいほど「 事 」は起こるものです。

起こるのですから「 起こるな 」と願っても無駄。
問題解決能力も学生の間に修得してほしい
「 学び 」の一つです。

なぜ大切かって？

患者さんだって様々な問題を抱えています。
問題といっても様々です。
・悩み
・痛み　←ここに注目しすぎ！
・不安
・不満
・解決したい課題
・満たしたい欲

はり師きゅう師のところには
「 痛みと不安 」をもって来院するので、
痛みと不安の対処法を主に学んでいます。

「 〇〇が痛いです 」という患者さんを数回施術していくと、
痛みだけではなく痛み以外の問題を抱えていることに
気が付きます。

東洋医学の授業では「 内因 」といって、
「 感情 」が引き金となって体調を崩すと学びます。

身体の問題で症状が出ているかと思いきや、
実は「  思い悩んでいること 」が原因で症状が
長引いてしまっていることも良くあります。

そんな時に身に付けておくべきことは、
「 問題解決能力 」なんですよ。
患者さんとの会話の中で気付きを与えられたら

さて、最初の学生さんの悩みですが…

「先生、〇〇さんと実技を組みたくないです」

先生が問題を解決をすることはしません。
なぜなら、先生の問題ではないからです。
学生の問題に勝手に踏み込みません。
もちろん、放置はしませんよ。

自分なりに解決しようと試みているときは、
「 共同の課題 」としてサポートを行こともあります。

まずは本人に状況や理由を聞きます。
その上で、どうするかを考えてもらいます。

・その時だけは割り切って組む
・その以外の人と練習をする
など

常に自分の問題として向き合い整理することで、
自分が成長することが出来ます。

次に、理想の状態を想像して近づけます。

「 課題を身に付けるために一緒に練習しています 」
そして、理想の状態を引き寄せるために、
自分に何ができるかを考えて行動してもらいます。

行動を起こしてみて何が変化したのか？
もしくは、変化しなかったのかを検証して、
改善をはかっていきます。

◇問題解決のポイントまとめ
・自分の問題なのか他人の問題なのかを明確に
・他人の問題には勝手に踏み込まない
・どうしようもない事は悩まない
・自分ができることを探して行動する

自分とは違ういろいろな人とのかかわりの中で、
人間関係も鍼灸技術も磨いて欲しいですからね。

最後に、僕が師匠に教わった名言を一つ
「 他人の問題を解決するとお金になり、
　　　自分の問題を解決すると成長する 」