学校法人西田学園 アルファ医療福祉専門学校

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鍼灸学科

東洋医学のおはなし~気の運動~

毎週「気」についてご紹介してきました。

気の作用や、原気・宗気・営気・衛気といった気の分類などについて書いてきましたが、今回はタイトルにあるとおり「気の運動」についてです。

気とは、人体を構成し、生命活動を維持する極めて細かい物質です。

全身の組織・器官をめぐり、身体中に満ちていて、絶え間なく運動しています。

その運動のことを「気機」(きき)といいます。

そしてその運動には、昇る・降りる・出る・入る(昇・降・出・入)という方向性があります。

例えば、呼吸。

息を吸ったり吐いたりすることで、空気が体にったりたりしています。

身体に必要な清気を吸い込んで、体内で不必要になった濁気を吐いているんですね。

 

昇と降、出と入というように正反対の方向を持つ動きであることはとても大切な意味があります。

正反対の動きによって、お互いが働きすぎないように抑制しあっているのです。

身体を上焦・中焦・下焦の3つに分けて、臓腑を部位別にとらえる概念があります。

その中焦は、横隔膜から臍までを指し、脾と胃が属しています。

脾には昇清という気機を上昇させる働きがあり、胃には降濁という気機を下降させるという働きがあります。

気機が上昇しすぎてしまうと、悪心・嘔吐やげっぷなどが起こってしまいますし、

気機が下降しすぎてしまうと、おなかを下してしまう可能性があります。

そういったことが起こらないように、中焦においては脾と胃が気機のバランスをとっているのです。

 

中焦に限らず、身体中で正反対の性質を持った気機などがバランスを取り合っています。

いわばシーソーのような感じです。

そのシーソーは常に水平にバランスが取れているのではなく、ストレスや環境の変化などの様々な要因で傾いてしまいます。

そのバランスが崩れ切ってしまう前に、ちょっとした傾きの段階で整えてあげることが大切です!

 

これまでのブログも合わせてどうぞ!!

東洋医学のおはなし~気の種類:衛気~

東洋医学のおはなし~気の種類:営気~

東洋医学のおはなし~気の種類:宗気~

東洋医学のおはなし~気の作用②~

東洋医学のおはなし~気の作用①~

東洋医学のおはなし~気について~