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社会・精神 通信科

社会福祉士・精神保健福祉士 国家試験ってどんな試験?~新カリキュラムで何が変わるの?~

こんにちは、教員の加藤です。

いよいよ、今週末の2月3,4日は、社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験です。

受験生のみなさん、不安はたくさんあるかと思いますが、まずは何より体調管理です!

みなさんのこれまでの頑張りが発揮されるよう祈念しております°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

実は、今年度の国家試験が、旧カリキュラム最後の国家試験となり、

来年度からは、新カリキュラムの国家試験になるんです。

 

学生さんや出願希望の方から、「旧カリと新カリで何が変わるんですか?」という質問をよくいただきます。

そこで今回は「社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験とはどのような試験なのか」と

新カリキュラムで国家試験の何が変わるか」について、みなさんにお伝えしたいと思います。

 

1.社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験の概要

まず、社会福祉士・精神保健福祉士として活躍するためには、

それぞれ、社会福祉士国家試験・精神保健福祉士国家試験に合格し、

社会福祉士または、精神保健福祉士に登録する必要があります。

 

この国家試験の実施及び登録の事務を行っているのが、

公益財団法人社会福祉振興・試験センターになります。

試験センターのホームページから、資格制度の概要受験資格

試験概要出題基準・合格基準の確認ができます。

また、実際に国家試験を受験する際には受験の申し込みを行ったり、過去の試験問題も見ることができます。

 

現行(旧カリキュラム)の試験の概要や出題科目は以下のようになっています。

社会福祉士 精神保健福祉士
試験日 年1回(例年 2月上旬に実施)
出題形式 五肢択一を基本とする多肢選択形式
出題数 150問 163問
総試験時間数 240分 275分
出題科目

【共通科目】11科目

①人体の構造と機能及び疾病

②心理学理論と心理的支援

③社会理論と社会システム

④ 現代社会と福祉

⑤地域福祉の理論と方法

⑥福祉行財政と福祉計画

⑦社会保障

⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度

⑨低所得者に対する支援と生活保護制度

⑩保健医療サービス

⑪権利擁護と成年後見制度

 

【専門科目】7科目

⑫社会調査の基礎

⑬相談援助の基盤と専門職

⑭相談援助の理論と方法

⑮福祉サービスの組織と経営

⑯高齢者に対する支援と介護保険制度

⑰児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

⑱就労支援サービス、更生保護制度

【共通科目】11科目

社会福祉士の共通科目と同様

 

 

 

【専門科目】5科目

①精神疾患とその治療

②精神保健の課題と支援

③精神保健福祉相談援助の基盤

④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

⑤精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム

合格基準 「問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者」かつ「試験科目の各科目群すべてにおいて得点があった者

 

 

2.新カリキュラムの変更点

次に、新カリキュラムで教育内容の何が変わるのかについてです。

新カリキュラムでは、社会状況の変化や法制度の創設等を踏まえ、ソーシャルワーク機能を発揮できる実践能力の習得が図られるよう、以下の点について、教育内容の見直しが行われています。

 

(1)養成カリキュラムの内容の充実

(2)共通科目の拡充

(3)実習及び演習の充実

(4)実習施設の範囲の見直し

 

それぞれの詳細は厚生労働省が公表している資料を見てみてください。

 

国家試験に絡むところでいうと、(1)養成カリキュラムの内容の充実 と(2)共通科目の拡充 の影響で、

科目の再構成により、出題科目が変わってきます。

 

新カリキュラムに基づく出題科目については、以下になります。

社会福祉士 精神保健福祉士
出題科目

【共通科目】12科目

①医学概論

②心理学と心理的支援

③社会学と社会システム

④社会福祉の原理と政策

⑤社会保障

⑥権利擁護を支える法制度

⑦地域福祉と包括的支援体制

⑧障害者福祉

⑨刑事司法と福祉

⑩ソーシャルワークの基盤と専門職

⑪ソーシャルワークの理論と方法

⑫社会福祉調査の基礎

 

【専門科目】7科目

⑬高齢者福祉

⑭児童・家庭福祉

⑮貧困に対する支援

⑯保健医療と福祉

⑰ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

⑱ソーシャルワークの理論と方法(専門)

⑲福祉サービスの組織と経営

【共通科目】12科目

社会福祉士の共通科目と同様

 

 

 

【専門科目】6科目

①精神医学と精神医療

②現代の精神保健の課題と支援

③精神保健福祉の原理

④ソーシャルワークの理論と方法(専門)

⑤精神障害とリハビリテーション論

⑥精神保健福祉制度論

参考:厚生労働省『社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて』

   厚生労働省『精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて』

 

 

3.教育内容等の見直しを踏まえた試験について【社会福祉士】

続いて、教育内容等の見直しを踏まえた試験について、社会福祉士国家試験から見ていきましょう。

教育内容等の見直しを踏まえた試験のあり方については、厚生労働省から検討会の報告書が公表されています。

見直しのポイントとしては、以下の点になります。

※あくまで、厚生労働省から公表されている現時点のものになります。

 

・国家試験の基本的性格、出題内容等について

ソーシャルワーク専門職として必要不可欠な基本的な知識及び技能が備わっていることを確認・評価するものであることを踏まえた上で、問題作成を行うことが望ましい。

 

・出題内容、出題形式について

基本的な知識を問う問題が適切に出題されるよう、出題内容を十分に検討することが望ましい。

理解力・解釈力・判断力を問うことができる事例問題による出題を充実させることが望ましい。

また、五肢択一または五肢択二を原則とする出題形式は、今後も継続すること。なお、国家試験として妥当性を確保するために必要な場合には、出題形式の見直しを検討することが望ましい。

基本的な問題や重要な問題については、出題内容や選択肢の見直しを適切に行い、繰り返し出題する仕組みを導入することが望ましい。

 

・総出題数について

カリキュラムの見直しの趣旨を踏まえ事例問題を増問すること、及び、試験科目のカリキュラム時間数の合計が 780 時間から 720 時間に見直されたことを踏まえ、総出題数を減問することが望ましい
出題内容等の見直しや受験者の負担等を勘案して、科目ごとの出題数を減問することが望ましい

 

・合格基準について

総得点の 60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した点数以上を得点した者を合格とする合格基準は、今後も維持することが望ましい。

 

・試験日程及び試験時間について

現行の試験日程は、今後も継続することが望ましい。
事例問題による出題を充実させる場合には、解答に必要とされる時間を考慮した上で、適正な試験時間を確保することが望ましい。

 

参考:厚生労働省『社会福祉士国家試験の今後の在り方について

 

 

4.教育内容等の見直しを踏まえた試験について【精神保健福祉士】

続いて、精神保健福祉士国家試験についても見ていきましょう。

こちらも厚生労働省から教育内容等の見直しを踏まえた試験のあり方についての検討会の報告書が公表されています。

見直しのポイントとしては、以下の点になります。

※あくまで、厚生労働省から公表されている現時点のものになります。

 

・出題の基本的な考え方について

精神保健福祉士国家試験における受験資格の要件を満たす時点において備えているべき基本的な事項、かつ全ての精神保健福祉士の養成施設等における養成課程及び保健福祉大学等における養成課程で教育されているべき標準的な教育内容から出題することに留意すること。

 

・出題数や出題内容について

精神保健福祉士に必要とされる「基本的な知識や技能」に加えて「状況に応じて課題の解決につなげる力」を問う充実した出題内容とすることを前提とした上で、各科目の出題数は、養成課程の教育内容の科目における時間数に応じた出題数とし、総出題数は減問することが妥当である。

 

・出題形式について

出題形式は、従前を原則とすることに留意しつつ、出題の意図や出題の内容に応じて四肢択一を含め、適した出題形式で出題していくことが求められる。

 

・合格基準について

合格基準は現状維持とすることが望ましい。

 

・試験日程及び試験時間について

現行通りの2日間の日程とし、出題数及び出題形式、出題内容に応じた十分な試験時間を設定すること。

 

参考:厚生労働省『精神保健福祉士国家試験の在り方について』

 

 

5.新カリキュラムから適用する国家試験出題基準

最後に、新カリキュラムとなる年度から適用する国家試験出題基準については、

公益財団法人社会福祉振興・試験センター で公開されています。

 

国家試験の情報については、今後もこちらの試験センターのホームページを参考にしていきましょう!

令和6年度(第37回試験)から適用する社会福祉士国家試験出題基準(予定版)

 令和6年度(第27回試験)から適用する精神保健福祉士国家試験出題基準(予定版)

 

 

さて、少し長くなりましたが、

今回は「社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験とはどのような試験なのか」と

新カリキュラムで国家試験の何が変わるか」についてお伝えさせていただきました。

 

国家試験に合格することが、社会福祉士・精神保健福祉士のゴールではありませんが、

社会福祉士・精神保健福祉士として、活躍していくためには、避けて通れないものです。

国家試験は、社会福祉に携わりたい方々にとって、大きな挑戦となるでしょう。

しかし、その先には多くの人々を支え、社会に貢献する喜びが待っています。

アルファ医療福祉専門学校の社会福祉士通信科・精神保健福祉士通信科では

カリキュラム教育に加え、国家試験対策にも力を入れています!

入学相談会も随時開催しております。

是非一度お気軽にお問合せ・お越し頂ければと思います。

未来の社会福祉士・精神保健福祉士を目指して、一緒にがんばりましょう!