- 2007年東京藝術大学デザイン科卒業、2009年同大学大学院デザイン専攻修了。その後はプロダクトデザイナーとしてオフィス家具メーカーに勤務。2016年〜起業し、現在代表取締役。プロダクトデザイン、インテリアデザイン、ブランディングを中心にデザインの仕事に従事している。
- 新校舎4号館のデザインコンセプトは?
- デザインのコンセプトは、「場(原点)を耕す」というもので、専門教育を受ける学びの為の原点の場を丁寧に設え、学生の皆さんや教職員さんの未来への成長の空間をつくるということです。ここでいう場とは学校としての単に物質的な建物だけではなく、光や音、毎日の行動の導線や交流による心地など、学びの空間として可視化できない要素も含めています。
- 新校舎4号館のこだわりのポイントは?
- 私たちは新校舎4号館をデザインする上で大きく4つのテーマを持ちました。
- 空間的広さ/ 視覚的豊さ「居心地」
- すれ違い導線の拡充/ 盛り上がりと温もり「交流」
- 洗練されたデザイン( モダンデザイン)「美感」
- 声音的・聴覚的心地よさ/ にぎやかな声「安心感」
これらをこだわりのポイント(テーマ)としてデザインを施しています。
4号館に入ると1Fから最上階の天井まで見上げられる大きな吹き抜けをつくり、視覚的に広さを感じられる空間を設えています。それは同時に各階から上下階を見渡すことができ、会話も可能になります。人の声が聞こえる安心感のある場所を校舎の中心に配置し交流のある学校を目指しました。
また校舎全体としてミニマルでモダンなデザインを施し、特に教室や実習室については什器を含めたカラーコントロールで、より集中できる学びの場をデザインしています。
- 学生や教職員にどのように活用してほしいか?
- 私たちが新校舎4号館のデザインを実施する上で「自分ごと」というキーワードを挙げています。学生の皆さんが学ぶことへ積極的になり、行きたい場所になる。その結果自分の居場所になってほしい。自発的・能動的学びの場へ。教職員さんへは働くことが自分ごとになり、働くことの豊さを感じられる場になってほしい。そんな思いを込めています。
4号館の1FにはAlpha cafeというラウンジができます。ここは1号館隣のAlpha Loungeと同じようなラウンジスペースですが、今回の場所は学生のみなさんと教職員さんの距離が近い場所で、入口からも近く交流の場としてとても良い場所になると思います。是非多くの人とコミュニケーションをとり、インプットを増やし充実した時間を過ごしていただきたいと思います。
- 当校の学生にメッセージをお願いします。
- 今回新校舎4号館のデザインをするにあたり、自分の学生時代を思い返しました。私は高校卒業後の自分で決めた専門課程の学びの時間がとても充実していて楽しい時間でした。それは自分自身で決めたやりたいことを学び、同じような領域を志す同級生たちと交流し、共感論争しながら将来への想いを醸成する大切な時間だったからだと思います。昨今ではSNSなどにより人との繋がりが多様化していますが、是非学校で一緒に学ぶ仲間や先生、そしてそこで学ぶ時間を大切にし、自分の想いをたくさん言葉にして語り合ってほしいです。コロナ禍で人に会い、話をする機会が憚られた時間は長く続きましたが、最近はそんな状況も少しずつ戻ってきています。顔を見て本心で話ができる人をつくり、自分で考え想いを育み、自分自身を満足できる豊かな人になってほしいと思います。
私たちは、そんな想いを持ちながらデザインを進めています。皆さんにとって良い場所になればとても嬉しいです。どうぞ楽しみにお待ちください。