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機能訓練指導員って？
いきなりですが…
機能訓練指導員ってご存じですか？
介護保険制度の中に位置していて、
介護事業所などで機能訓練に従事している人のことで、
「日常生活を営むのに必要な機能の減退を
防止するための訓練を行う能力を有する者 」と
定義されています。
参考：厚生労働省ホームページ,社保審－介護給付費分科会
第153回（H29.11.29） 資料５,介護人材関係について
「訓練を行う能力を有するもの」には8つの資格が定められていて、
❶理学療法士
❷作業療法士
❸言語聴覚士
❹看護職員
❺柔道整復師
➏あん摩マッサージ指圧師
❼はり師
❽きゅう師
このようにはり師、きゅう師も入っていて、
資格取得後、機能訓練指導員になることもできる、
…のですが、他の6つの資格と異なり、
はり師ときゅう師には1つ条件があります。
「はり師・きゅう師は、
理学療法士等の資格を有する
機能訓練指導員を配置した事業所で６ヵ月以上、
機能訓練指導に従事した経験を有する者に限られる。」
つまり他の6資格を持つ機能訓練指導員の下で、
実務経験を6ヶ月積まないと業務に就くことができないわけです。
なぜこんなことになっているのでしょうか？
理由の1つにはり師・きゅう師が運動療法等の機能訓練指導を
学校で学ぶ機会がないことがあるかと思います。
今回、2年生の実習でお呼びしたのは
「一枝（ひとえだ）のゆめ財団」専務理事で
筑波技術大学名誉教授の藤井亮輔先生。
こちらの財団では資格を取得したはり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師のための
「卒後教育」機関として、さまざまな講習会やセミナーを行っておられます。
残念ながら他の6資格と異なり、
実務経験を必要とするはり師・きゅう師のために、
先生ご自身が機能訓練指導のための講習会を行っておられます。
2022前期鍼灸マッサージ師のための機能訓練実践講座
（→一枝のゆめ財団HP こちらはすでに第2期に入っています）
この講座は学生では3年生にならないと受講ができない講座なのですが、
今回は2年生に、ほんの入り口部分になりますが、
介護保険制度についての座学、運動療法の実技をお願いしました。
座学でははり師・きゅう師が卒業後に取得できる資格である、
介護支援専門員（ケアマネージャー）についてもお話しいただきました。
座学の最後に先生からのメッセージとして、
労働白書からの仕事への「やりがい」データを引用して
「はり師・きゅう師は（88％が）やりがいを感じられる職業というデータがあります。
ぜひみなさんも国家試験に受かって、鍼灸師として頑張ってください！」
との激励をいただきました。
後半の実技では肩関節の運動療法（ROMエクササイズ）を実習しました。
人の身体を少しずつ触り慣れてきたとはいえ、
高齢者を想定した、関節運動の手技はなかなか難しかったようです。
恐々動かしている人もいれば、かなり乱暴に扱ってしまっている人もいて、
先生から細かく指導を受けていました。
各関節の構造と機能、
特に関節の中で関節面と関節面がどう動くのかが理解できていることが必要。
無理な方向に曲げてしまえば、
骨粗鬆症をもった高齢者の骨は簡単に折れてしまいます。
手の持ち方、動かし方、自分の動き方…
1人1人を回って丁寧に教えていただきました。
未来の鍼灸師の卵たちに熱意をもって、
3時間フルパワーで教えてくださった藤井先生。
見ているこちらが心配になるほど精力的に動いてくださり、
感謝しかありません！
また介護の現場だけではなく、
こうした機能訓練の方法は鍼灸師なら心得ておくべきだと感じました。
藤井先生、ありがとうございました！
（文責／撮影 寺田）
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