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鍼灸学科
#学科イベント#鍼灸学科のイベント

感情労働とセルフケア

新学期が始まって早くも3週目に入りましたが、
今回は少し前の話題を取り上げます。
(すっかり年度をまたいでしまいました💦)

3月の卒業式の直前にはり・きゅう学科では
卒業生に向けた「特別講義」を毎年開催しています。

いつもは鍼灸業界の先生にお願いして、
1日だけの講義&実技セミナーのパターンでやっていたのですが、

今回は2日間に分け、
1日はこれまで通りのはり・きゅう学科のみ対象のセミナーを、
もう1日を初の試みとして「全学科対象」の講演会として開催することにしました。

セミナーのタイトルは「自分らしく生きる」
講演者はまるはし女性応援クリニック院長、丸橋和子先生にお越しいただきました。

もともとは昨年度の「はりきゅう社会学」の講義として、
婦人科疾患への理解をと、お呼びしたのがきっかけでしたが、

丸橋先生はご専門がウィメンズヘルスケアという、
婦人科では「第4の領域」と言われる新しい領域だということで
ぜひその専門領域のお話もお聞きしたい、と始まった話でした。

(ちなみに既存の3つの領域とは「周産期」「腫瘍」「内分泌」)

しかしその内容は
更年期、性教育、性暴力、ジェンダーなど幅広く、
特に「性」についての考え方自体が変わり、男性・女性という2極ではなく、
多種多様な「性」の在り方が認められる時代になった中で生じてきた問題を扱う領域です。

これから社会に出ていく卒業生も、将来様々な現場で働くことになる在校生、
さらには私たち教職員もみんなで認識を改める必要があるお話で、
これははり・きゅう学科だけではもったいない、と
「全学科対象」に広げて行うこととなったわけです。

さて講演の中では
「性」と一言で言っても
・身体の性(生物学的な性)
・性自任(アイデンティティーとしての性)
・性的志向
・性表現(表現としての性)

があり、人によってその組み合わせはばらばら。
LGBTQという言葉も徐々に浸透してきました。

実際、生物学的に見ても「性の決定因子」は
性染色体による違いから生じるものであり、
完全に男性・女性と2分できるものではなく、
講演では「性のグラデーション」という言葉をお使いになられていました。

多様性を認め、その人がその人であることを尊重して、
平等かつ公正に対応することが求められる、ということなのです。

どんな業界においても必要とされる考え方なのでしょうが、
この学校を卒業して就業する
「医療」と「福祉」の現場ではこうした対応の必要性に迫られることになるでしょう。
思わぬ一言が相手を傷つけてしまうことがあるということ。

例えば
身体的性が同じ友人から、性的志向が同性に対して向いていると聞いて、
「私のこと、好きにならないでね」と言ったとしたら、
とてもおかしなことを言っていることになるのがわかるでしょうか?

性的志向と「その人を好き」というのは別問題。
同性なら誰でもいいわけじゃない。
友人だと思って接している人からそんな風に言われたら、
異性でも同性でも傷つくのは少し考えればわかるはずなのに
そんなことを言ってしまう人がいる…

先生のお話の中でそんなお話が印象に残りました。

また先生は日々の診療の中で性暴力に悩まされる人たちにも向き合っておられ、
様々な事例をあげてお話をいただきました。

そして最後にそうした多種多様な人々に
労働として向き合う「自分自身のセルフケア」についてもお話をされました。

それが今回の題名にした「感情労働」です。

感情労働とはアメリカの社会学者、A・R・ホックシールド氏によって提唱された概念で、
「肉体労働」、「頭脳労働」に続く3つ目の労働と言われています。

感情労働者は顧客(患者・利用者など)の精神をポジティブな状態に導くため
自分の感情を誘発、または抑圧することを仕事とします。

主にサービス業に就く人たち全般を指しますが、
医療や福祉に携わる人ももちろん感情労働者にあたります。

例えプライベートでどんなにつらいことがあったとしても、
業務上は笑顔で対応しなければならないこともあります。

顧客のことを思いやるあまりに、自分のココロを壊してしまってはいけないので、
日々、自分のココロのセルフケアが必要だということ。
そのための具体的な方法などを
ご自身のやり方なども紹介しながらお話しくださいました。

私自身も鍼灸師の駆け出しのころは、
治療がうまくいかない焦りと、患者さんの話に同調しすぎて、
ココロだけでなく、カラダの具合まで悪くなったりした経験が多々…

まず自分自身が健康でないと
人を癒すことなどできないのですから。

自分が感情労働者であるという自覚があれば、
もっとうまくあの時期を越えられたのではないだろうか?
そんなことを思いながら聞いていました。

はりきゅう師も医療従事者であり、感情労働者なのです。
多種多様な価値観が認められゆくこれからの時代に
柔軟性をもって、患者さんと並走できるはりきゅう師になってほしい…

卒業式の前日、そんなことを思いながら聞かせていただいた講演会。
こども保育学科や、介護福祉学科の卒業生も
先生に聞きたいことがたくさんあるようで、
終了後はしばらく列が絶えないほどの盛況ぶりでした。

今回の講演会は「全学科対象」で大正解
今後もこうした、学科を越えたテーマでの講演会を企画したいと思います!

(文責/撮影 寺田)


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