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東洋医学のおはなし~精と気の関係~
これまで、それぞれの生理物質について、生理と病理をブログに書いてきました。
生理物質は気・血・津液・精の4つです。
そのそれぞれに特徴や働きがありますが、それぞれがお互いに助け合ったり制御しあったり、深い関係性があります。
生理物質は、どれも主として水穀の精微から作られ、生命活動を維持するために働いています。
両親から受け継ぐ、生まれつき持っている先天の精などもありましたが、飲食物から後天的に得られるのはどの生理物質も同じでしたね。
後天的に得られる生理物質の量は、摂取する飲食物の量によって変化します。
元の材料が同じですから、どれかが少なくなると補い合ったり変化しあったりしています。
そして相互の制約もしあっています。
こういった生理的な関係性があるので、病理的にも互いに影響しあうのです。
では、それぞれの生理物質の関係性を見ていきます。
まずは精と気です。
「気は精を生じ、精は気を生じる」という関係があります。
この2つは相互転化の関係にあり、まとめて精気と呼ばれる場合があります。
精は腎に収められ、絶えず原気を生み出しています。
そして原気は各臓腑に行きわたり臓腑の気として働いています。
つまり、精は気の源であり、精が充分にあれば人体の気も充実して満ち溢れ、各臓腑の気も充実します。
精が不足すると気も衰えるため、精虚(腎精不足)のときには気虚の症状が見られることも多くあります。
気の充実は、精を生み出すための条件となります。
気がしっかりしていると、臓腑の機能は正常に働きます。
臓腑の機能が正常であれば水穀の精微を作り出すことができ、精は充分に作られ腎に貯えられます。
また、気は精を作り出すためだけでなく、精の固摂にも関わります。
固摂してむやみに流れ出ることを防ぐことで、精は充実し過度に消耗することはないのです。
気虚になり、気が不足したり正常に働かなくなったりすると、精の化生の不足や精の消耗による精虚(腎精不足)を招くことがあるのです。