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鍼灸のエビデンス
社会あはき学という科目があり、当校では2年生で履修します。
あはきとは「あ」んまマッサージ指圧師と「は」り、「き」ゅうの略称で、
社会における「あはき」の役割について学び、考える科目となっていますが、
2年生には1学期に「鍼灸のエビデンスについて調べる」という課題を出しました。
鍼灸治療は世界のあちこちで行われていて、
中国を発祥としていますのでアジア圏はもちろんのこと、
欧米諸国では日本よりはるかに普及しています。
紀元前から続く医学である中国医学は言ってみれば「経験医学」。
「このツボは〇〇の治療に有効だ」とか、
「こういうタイプの人には△△が起きやすい」など
実際に起こったヒトの身体の反応に対する「現象」を
何千年にもわたり統計データとして積み上げてきたのです。
しかし、科学の発達とともに、
「それはなぜ起きるのか」
「なぜ鍼灸が効くのか」という
「科学的根拠」を求められるようになりました。
この科学的根拠こそが「エビデンス」と呼ばれるものです。
西洋医学の普及の中で「エビデンス」のない医学は淘汰される歴史がありましたが、
その中でも何とか中国医学も、日本の漢方医学も生き残りました。
それでも「エビデンス」を確立するために、各国で研究が行われています。
「先生、鍼灸って〇〇に効くんですか?」
そう患者さんに聞かれたとき、どう答えればよいのか?
そのために最新の研究で鍼灸はどんなふうに評価されているのかを
調べてもらうことにしました。
今はとても便利になりまして、
世界中の論文を検索できるようなシステムが構築されています。
ほとんどが英語論文ですが、
Google翻訳をはじめとした翻訳機能も向上して
およその内容も日本語でわかるようになりました。
(それでも専門用語がありますので、完全ではないですが)
今回、学生さんにもご紹介したのが以下の3つのサイトです。
①厚生労働省 統合医療情報サイト「eJIM」
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html
民間療法をはじめとする補完・代替療法についてのエビデンス情報を
厚生労働省が紹介しているページです。
日本語翻訳されていますので一般の方にも読みやすいですが、
もともとの情報ソースが②のコクランを元にしているので、
少し情報が古めになります
②コクラン(ライブラリー)
https://www.cochrane.org/ja/evidence
ここからは海外サイトになります。
NHS : 英国国民保健サービスの一環として1992年に発足し、
臨床試験に関する報告を「精選」して収録している、
いわば医療における「エビデンス」情報を収集しているところです。
年4回更新され、論文どうしを比較して、
その研究手法がどうか、治療の有効性などを評価する
「システマティックレビュー(SR)」を作成し、
データベース化しています。
SRを作成しているのは世界各国の医療者や研究者だけでなく
一般の方々も参加して情報収集や翻訳に携わっています。
ちなみにコクランとはエビデンスに基づく医療(EBM)を提唱した
アーチボルト・コクラン氏の名前にちなんでいます。
③PubMed(パブメド)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
生命科学や医学に関する文献情報を収集したデータベース
「MEDLINE」などへの無料検索エンジンです。
もともとは大学図書館などでの使用に限定されたものでしたが、
1996年以降は一般の人でもWebを使って検索することが可能になりました。
論文はもちろん、雑誌などの記事まで網羅されていて、
医療に関する様々な情報を探すことができます。
ただし2と3は翻訳機能で読めるとは言っても、
検索にはちょっとしたコツが必要なので、
そのあたりを実際にこれらのサイトを使いながら学んでいって
「どのようにして最新の医療情報を自分で集めるか」を
知ることも今回の授業の目的です。
みなさんにはある程度、疾患のジャンルを決めて
鍼灸治療についてのエビデンスがどこまで解明されているのかを
調べてもらっていますが…
先週の金曜日にはまず私が調査した内容を発表して、
実際の検索の過程をお話ししてみました。
(12月には班ごとに発表もお願いしてます)
調べてみて感じたことは…
まだ鍼灸のエビデンスに対する研究は始まったばかり。
現時点で何が言えるのか?
患者さんに果たして説明できるような内容が得られるのか?
それを学生さんたちの目で確認してもらいます
発表の様子はまた追って報告したいと思います
(文責/撮影 寺田)
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