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鍼灸学科
東洋医学のおはなし~津液不足~
前回は、津液の代謝について書きました。
津液がつくられ、全身に運ばれ、そしていらなくなった分は身体の外へ出すといった流れでした。
今回は、津液に関わる病気の状態のおはなしです。
津液の病態を大きく分けると
津液不足と痰湿と湿熱いう病態が挙げられます。
まずは、津液不足を見ていきましょう。
津液不足とは、その名のとおり、津液が減少して量的に減少した状態です。
津液は身体を潤す働きがとても優れていますので、これが減少すると起こってくる症状は、
乾燥です。
口やのど、鼻の乾きを感じやすくなります。
声がかれて、ひどい時には声が出しにくくなってしまうでしょう。
また、皮膚や髪の潤いにも津液は大きく関わるため、不足してしまうと肌のハリがなくなったり、ザラザラしたり、髪もつやを失っていきます。
さらに、便秘や尿量の減少にもつながります。
津液不足が起こってしまう原因は次のとおりです。
ひとつは、飲食物の摂取不足によって津液を十分に作り出すことができないため。
津液を作り出すために大きく関わる、脾や胃の働きの低下も生成が減少してしまいます。
次に、汗のかきすぎや激しい下痢などによって、津液が大量に流出してしまうため。
そして、熱による身体の侵襲や、体内で熱が発生することによって、津液が傷つけられてしまうためです。
単純に身体の中の津液が足りていない場合は、食べ物や飲み物から摂取することが必要です。
ですが、津液を作り出すための脾胃が整っていないのであれば、整えなければいけません。
熱による損傷があるのならその熱を取り除く治療も必要になってくるんですね!