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東洋医学のおはなし~年の初めの縁起物~
みなさま、あけましておめでとうございます!
年末年始は一層自粛が求められて、私も残念ながら帰省は叶いませんでした。
ですが、本を読む時間を作ることができました。(と言いつつ、積読も増えました。笑)
年の初めの縁起物と言えば、「お屠蘇」です。
(写真はおせち料理ですが…)
お屠蘇は正式には、「屠蘇延命散(屠蘇散)」といいます。
お正月に、一年の邪気を払い、無病長寿を願って飲まれる縁起物のお酒です。
山椒(さんしょう)・防風(ぼうふう)・白朮(びゃくじゅつ)・桔梗(ききょう)・桂皮(けいひ)などの生薬をお酒に浸して、生薬成分と香りを溶かし出します。
ティーバッグのように袋詰めされた屠蘇散が市販されているようですね。
また、屠蘇散をお酒ではなくみりんに浸して作る場合もあり、子供でも飲みやすくすることもあります。
正月にお屠蘇を飲むという習慣は、もともとは中国で起こったものです。
中国の後漢から三国時代にかけての伝説的な名医である「華陀(かだ)」が処方したのが始まりとの説があります。
屠蘇散とは、「蘇」という悪鬼を「屠る(ほふる)」つまり打ち負かす、という意味があるといわれています。
華陀というと、三国志が好きな方は詳しいかもしれません。
魏の曹操の治療を断ったことで罪に問われ、獄死したとされています。
孤高の名医として描かれている華陀は、「麻沸散」という麻酔薬を使って外科手術をしたり、「五禽戯」という導引術(今でいう体操法)を考案したとされる人物です。
問診もせずに病気の原因を突き止めたとも言われているそうです。
華陀という名前は、ツボの名前にも出てきます。
「華陀夾脊穴」というつぼです。
第1胸椎から第5腰椎棘突起の下縁の高さ、後正中線の両外方0.5寸のところにあります。背骨の際に左右各17穴、計34穴のツボたちが華陀夾脊穴と呼ばれます。
背中や腰の痛みに加え、体の陰陽のバランスを整えたいときに使います。
今年はお正月にお屠蘇をいただいたので、邪気が払われていることを信じ、がんばりたいと思っています!
本年もよろしくお願いします(^^)/