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鍼灸学科

東洋医学のおはなし~問診~

先週は四診のうち、聞診についておはなししました。
聴覚と嗅覚を使って患者さんの状態を把握していく方法でした。

今回は問診です。

問診は、患者さんに質問をし、対話によって得られた情報から心身の状態を知る診察法です。

他の望診、聞診、切診とは違い、言葉のキャッチボールによって診察を進めていくので、一番わかりやすく知りたい情報を得ることができます。

実際に治療に入る前の診察としてイメージがわきやすいかと思います。

問診では、まず患者さんの主訴(1番つらいところ)について確認し、それに関する事項を掘り下げながら質問して、情報を集めます。

東洋医学ではさまざまな原因によって、体を機能させるための生理物質(気血津液精)・ツボや経絡・臓腑に変動が起こり、その結果いろいろな体の不調が発生すると考えます。

いろいろな体の不調を全身的な病態と関連付けて推察することが重要です。

そこで患者さん本人が主訴と関連のないように思っている全身症状や生活状況などについても確認します。

東洋医学的な問診の内容をまとめたものに、「十問歌」というものがあります。

「寒熱・汗・頭身・便・飲食・胸・耳・渇き・脈・味」の状態を聞くというものです。

家族歴や既往歴、食事について、女性の月経についてなども聞いていきます。

かなりたくさんのことを尋ねていくんですね。

聞いて集めた情報をそれぞれ関連付けて、患者さんの病態を把握していかなければなりません。

関連付けるために、教科書をベースとした知識が大切になってくるんですね。

聞いたこと全てが関連づいていることはなかなかないので、そこは主訴をしっかりと思い出して、情報を整理していく必要があります。

そうしないと、患者さんが求めている治療ができなくなってしまいますからね…

このように、患者さんとの会話がたくさんあることは鍼灸治療の特徴にひとつです。

言葉の総量はこちらは2割、患者さんは8割くらいが程よい加減とも言われます。

話をじっくり聞ける、というのは鍼灸師にとってとても大事なスキルなんですね(^^)/