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東洋医学のおはなし~聞診~
9月になりましたが、セミの声がまだまだ聞こえてきて、暑さを感じさせますね。
それでも夜になると気温も落ち着き、虫の鳴き声など秋らしさもなんとなく感じるようになってきました。
私の地元は自然が多く音でも季節の移り変わりを楽しむことができます。
家の中にセミが入ってくるとさすがに怖かったですが。。。
さて今回は、「聞診」について書いてみようと思います。
聞診とは、聴覚と嗅覚により患者の身体から発する音と臭いを聞き、心身の状態を知る診察法です。
聴覚、耳を使って聞くというのは、ここでは患者さんの発語時の音声や呼吸音などです。
お話を聞くのは「問診」になります。
声の高さ、声の大きさ、声質、話し方を聞き、患者さんの状態を診ていきます。
もちろん、発声には個人差や性差があるので、これだけでは判断できません。
分かりやすいところでいえば、声の大きさです。元気がなく気を消耗してしまっている人は声のボリュームは小さくなってしまいますよね。
声の大きさには呼吸に関わる臓腑、肺や腎が関係しますので、肺や腎の充実度が音声の大小に影響しています。
また、肝・心・脾・肺・腎の五臓にはそれぞれ角・徴・宮・商・羽の音階が対応します。
ド(宮)、レ(商)、ミ(角)、ソ(徴)、ラ(羽)となり、音声がこれらの音階のその音に属しているかによって、五臓の状態を推測するのですが、絶対音感がないとできない診断法ですね…(笑)
聞診では、嗅覚も使います。
余談ですが、香道といって天然香木の香りを鑑賞する芸道では、香りは「聞く」と表現するのが正式なんだそうです。
ここでいう臭いは、体臭、口臭、排泄物・分泌物の臭いなどのことで気味といいます。
直接鼻を近づけて嗅ぐことには限界がありますから、問診時に患者さんに尋ねることも行います。
臭いのある・なし、そしてどんな臭いがするのかというのも大事な情報源と言えます。
耳と鼻を使う診断法のおはなしでした(^^)/