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東洋医学のおはなし~陰と陽~
東洋医学を学ぶ上で、大事な考え方のひとつが「陰陽学説」です。
1年生のサポート授業の中で、話すために改めて調べてみました。
熟語には上下、明暗など対照的な2つの文字で作られているものが多くあります。このことから、自然界は対称的な2つの組合せで成り立っているとみることができます。
陰陽学説は自然界を認識する際にこのような気づきをまとめた考え方なのです。
漢字の意味を簡単に表すと、陰は日かげ、陽は日なたとなります。
日かげと日なたをイメージして連想していくと、
日かげは冷たく暗い。冷たいものは水であり、低い方へ下る性質がある。
日なたは温かく明るい。温かいものは火であり、高い方で上る性質がある。
さらに、太陽の上る方角(東)は陽であり、沈む方角(西)は陰である。温暖になれば生物は活発に動き、寒冷になれば静かになる。(陰陽学説が発生した北半球の場合)暖かいのは南であり、寒いのは北である。
などなど、物事を陰陽に分けていくことができます。
男女を陰陽にわけると男が陽で女が陰です。
左右も陰陽にわけることができます。左が陽で右が陰です。これは日かげ、日なたのイメージからはちょっと連想しづらいですよね。
このように陰陽が当てはめられる理由として、「正面(南面)を向いた場合に太陽が昇る東側が左になり、沈む西が右にあたるため」という説があります。
なぜ、南が正面になるのか。それは、中国の書物『論語』に「天子は南面する」つまり皇帝や天皇は南を向いて君臨する、とあるからです。不動の存在の北極星を中心に見立てて、そこから世界を見渡すので、北を背にして南を向くので南が正面という考え方ができるんですね。
この左右と陰陽の関係は、ひな人形の飾りつけにも反映されています。
男=陽=左、女=陰=右 に基づいて、左(向かって右)に男雛、右(向かって左)に女雛を飾ります。
現代では西洋文化の影響もあって、配置が逆になることも多いそうです。(私の実家は逆でした。)
ちなみに、左右は訓読みでは「ひだり」と「みぎ」ですが、ひだりの「ひ」は「火」を、みぎの「み」は「水」を意味するという説もあります。
「火」は陽、「水」は陰ですから、日本語の読み方にも陰陽が関係しているのはすごく興味深いですね。