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東洋医学のおはなし~バランスが大切~
先日、数か月ぶりにとあるお寺に参拝しました。
ほぼ毎月訪れていたのですが、コロナウイルスの影響で寺務所も閉所されていました。
感染拡大予防をしっかりと行って、開所されたとのことで伺い、久しぶりにご住職ともお話しすることができてなんだかほっとしました。
とはいえまだまだ安心はできないので、手洗いやマスクは欠かせませんね💦
そのお寺には、カエル・ヘビ・ナメクジの石像があります。
(正確にはナメクジの線刻がある石柱です。)
三すくみと言われるものです。
3つのものが、互いに得意な相手と苦手な相手を1つずつ持ち、それで三者とも身動きが取れなくなるような状態のことを表しています。
ヘビはナメクジを、ナメクジはカエルを、カエルはヘビを恐れ、互いにけん制しあっています。
物事が動かなくなる、転じて、平和を願う気持ちが込められているそうです。
均衡を保ち、バランスのとれた状態がよいとされているんですね。
バランスをとる、ということは東洋医学においても大切な考え方です。
気候や季節が変化すれば、体の中でもそれに応じた変化が起こります。以前のブログでも取り上げたような、暑い季節に向けて体が開くという変化を見せるのもこのためです。
自然の流れに沿って、体がきちんと変化していけば体調は良く健康に過ごせると考えます。
ですので、体調がすぐれないときは、体を正しい変化に導くといったアプローチをしていきます。
自然治癒力を高めること、そして個人差を重視しています。暑さが得意な人、寒さが得意な人、痛みなどの感覚が敏感な人、いろいろなことに個人差があるように、治療の中身にも個人差があります。
西洋医学は「恒常性」という考え方が中心にあり、正常値や基準値という概念を重視します。目に見えてわかりやすい数値を正常にすることが治療の中心となるので、数値に異常がない場合にはなかなか対応しづらいという点があります。
その反面、東洋医学は検査をしても異常がない…という場合にも力を発揮します。
先ほどお話ししたように、体の中を正しい変化に導くことで体調を整えていくので、検査による数値に影響されることなく治療を行うことができます。
東洋医学の治療、たとえば鍼施術で数値の変化がみられることももちろんあります。
そして反対に、西洋医学が得意とする分野・場面もたくさんあります。
東洋医学や鍼灸治療、ひいては自分自身の得意不得意を意識することは治療においても勉強においても大切なことかもしれませんね(^^)/