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鍼灸学科

はりきゅうと不妊症👩

昨日の日曜日はお勉強へ

婦人科系を中心とした女性鍼灸師を対象とした勉強会「女性鍼灸師フォーラム」さん。

横浜を中心に活動しておられますが、今回3回目の参加をさせていただきました。

(女性鍼灸師となっていますが、男性も参加可能です)

 

今回は「不妊治療から妊娠初期の対応」と題して、

前半は不妊専門のクリニックの先生に実際の現場でのお話を、

後半は妊娠初期の鍼灸って大丈夫なの?そのエビデンス(科学的根拠)について、

世界での鍼灸に関する研究論文が紹介されました。

有料のセミナーでもあり、詳細は書けませんので、

お話をお聞きしながら考えていたことを書いておきたいと思います

 

私は教員の駆け出しの頃…もう10年ほど前のことですが、

恩師の紹介で京都の某有名不妊症クリニックで鍼灸外来をやっていた時期がありました。

 

婦人科系の鍼灸治療については理論的にはある程度理解しているつもりでしたが、

現実に不妊治療をされている女性たちの置かれている状況については

全く想像しておらず、知らないことばかり…

 

自分も当たり前に生まれてきたと思っていたもので

これほどまでに妊娠・出産に至るまでの過程が奇跡的なことだとは…

いろいろな条件がすべて揃って…いや、揃っていても妊娠しない、できない場合もあるってことを

何より彼女たちの身体の負担、精神への負担は想像を超えて過酷なものであることも、

初めて知った貴重な経験でした。

 

ふと思い出した2人の対照的なクライアントさんたちのお話をご紹介してみますね。

(※鍼灸の効果には個人差がありますので、必ずしも同じ結果になるわけではないことをご了承の上、お読みくださいね)

 

【Case1】

三十代半ばの女性。結婚して5年目。結婚後2年経過後、不妊症治療をスタートして約3年目。

人工授精を繰り返すも、2度の流産。

現在は不妊治療のために退職をしておられましたが、

20代の半ば頃は仕事が楽しくて、多忙な生活を送っていて、

3年ほど月経が止まっていた時期があるそう。

でもその時は仕事のために煩わしい月経が来ないことをラッキーだと思っていて、

今になってなぜ放っておいたのか…とても後悔をしているとのこと。

現在は薬でコントロールをしているが、子宮内膜が薄く、月経血量も少ない状態。

そのために着床しにくいとのこと。

 

背中の上の方から上に赤みが強く、片頭痛や不眠もあり、肌は浅黒く、髪もつやがない状態。

東洋医学では血が不足して栄養状態が悪い「血虚」(けっきょ)と

エネルギーや水分の不足で身体が熱っぽくなる「陰虚」(いんきょ)が重なり、

そこに精神的なストレスのせいで頭の方に熱が集中してしまっているような状態でした。

 

とにかく彼女を取り巻く周囲の状態が彼女を精神的に追いこんでいて、

不妊治療に関してはお姑さんが「うちの息子には何ら落ち度はない!」の一点張りで、

旦那さんの検査どころか、一緒に受診をすることすら許してもらえず、いつもお一人で来院。

あげくにお姑さんから「あなたには何か憑いているのだから、お祓いが必要」とまで言われたことや、

中学の頃から仲良しだった親友が妊娠したと聞いた時にも素直に喜べず、

連絡することも止めてしまったそうです

 

「なんで私には授からないんだろう…私が悪いんだ…」と自分を責め続け、泣き崩れることも。

たった1人で頑張っている彼女は精神的ストレスの要因が大きすぎて、

治療が思うように進まず、

結局鍼灸治療でもあまり効果らしい効果が出ませんでした

 

今でこそ、精子数の減少などによる「男性不妊」があることも当たり前に知られてきてはいますが、

この頃は「不妊症は女性の問題」とされていたところがありました。

月経が止まったことを放っておいたかつての自分

そして親友の妊娠を素直に喜べない自分を責めて、ずっと泣いておられたのを鮮明に覚えています。

 

【Case2】

こちらも三十代半ばの女性。

腸に持病を抱えておられましたが、ホルモンなど何の検査をしても異常はありませんでしたが、

卵の質が悪く、このところ数回続けて卵子が空胞卵(中身が空っぽの卵子)で、

受精さえもできない状態が続き、

クリニックの先生の方が全く理由がわからないとのことで

鍼灸外来の方へ回ってこられたクライアントさんでした。

決定的にCase1と違っていたのは彼女を取り巻く環境

 

鍼灸外来の日は彼女一人でしたが、

人工授精の日には「精子も新鮮な方がいいに決まってる!」と

旦那さんがクリニックまで一緒に来られるのだそうです。

とにかく旦那さんが協力的で、彼女は好きな仕事を続けながら不妊治療に臨んでおられました。

 

彼女の体質は胃腸が悪いことで、水の代謝が悪く、常に身体中がむくみがち。

色が白くて小柄で、あまり血色がよくない。

夏場でもあまり汗もかかず、お腹も足も冷たい状態。

でも明るく朗らかでよくしゃべってくださるので、こちらも楽しく治療させていただいてました。

 

クリニックでの経過をお聞きしながら3か月ほど経った頃、

診察を終えた彼女が興奮気味に鍼灸外来に来られ、

「先生!卵の中身が入ってるんよぉ!また人工授精できるかもしれへんてー

 

こちらとしては胃腸の調子を整えることと身体を温めることをやっただけでしたので、

何が効いたのか?

不思議でしたが、可能性が出てきたということで、一緒に喜んでいたのを覚えています

それから2回目の人工授精で着床→妊娠、そして卒業されていきました

 

1年ばかり経った頃、再び私に連絡があり、彼女が無事に男の子を出産したこととともに、

もともと胃腸が悪く、体力なかったことで

出産後に子宮脱(子宮が腟を通り、外に出てきてしまう状態)になってしまったと報告がありました

クリニックを離れ、個人的に鍼灸治療を依頼されたことで、

その後も旦那さんが腰痛で来られたりと、家族ぐるみの長いお付き合いになりました。

 

短い間でしたが、この時には女性の身体の仕組み、特に月経・妊娠・出産のシステムを必死で勉強してました

クライアントさんから血液検査やホルモンの値、

先生から出されているお薬についてもお話を聞くので

数値の目安や主要な薬剤名、効果なども調べて、

西洋的にも東洋的にも状態が把握できるようにしてましたよ

この辺りは残念ながら学校でもあまり詳しくは習わない部分なんですが、

 

勉強会でも鍼灸師がきちんと女性の身体、病気の知識をもって向き合うこと

すすめておられました。

西洋医学のお医者さんたちとの連携も必要な分野なので、

西洋も東洋もどちらの理解も必要なんですね。

 

ホントに女性の身体のメカニズムって神秘の世界

まだまだ西洋医学でも分かっていないことが多いのをこの時に知りました

 

どんな治療法でも同じですが、はり・きゅうも合う、合わないがありますので、

一概には言えませんが、もともと中医学は女性の医学という側面もあります。

 

はり・きゅうでは直接身体に触れ、身体の声を聴きながら、

約1時間ほどの施術になるのが一般的なので、

当然、クライアントさんと話す機会も多く、気持ちや悩みを受け止める場面も多いです

特に不妊治療は良くも悪くも結果が出てしまう分野なので、とても難しいですが、

良い結果が出ればクライアントさんと新たな命を一緒に喜ぶことができる

そんなやりがいのあるお仕事でもあります🔥

 

また不妊治療だけでなく、しっかりと正しい知識をもって、

女性の身体や精神に寄り添える鍼灸師さんが増えてくれるといいな、と思います

 

 

(文責/撮影 寺田)

 


 

7月のオープンキャンパスは完全予約制実施予定です。

オープンキャンパス前の金曜日夜23時59分までが参加予約の締め切り時間となりますので

お早目のご予約がオススメです。

オープンキャンパス時のコロナ対策についてはコチラ

 

そして、コロナの状況が落ち着いていることから、

「体験授業」が復活してますよ~🙌🙌🙌

 

どんなことを学ぶのか興味津々のみなさん、

鍼やお灸に触れてみたいみなさん、

 

ぜひ今までのオープンキャンパスに来られた方

改めて体験に来てくださ~い

 

【今後のオープンキャンパス実施予定】

7月12日(日)10:00~12:00

(ご予約は10日(金)23:59まで)

体験授業付きオープンキャンパス*保護者同伴可

【完全予約制】ツボって何だろう?成り立ちや種類を知ろう!

(午後は個別相談会やってます)

 

7月18日(土)1部 10:00~12:00 2部 14:00~16:00

(ご予約は7月17日(金)23:59まで)

体験授業付きオープンキャンパス*保護者同伴可

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LINEやメール、電話での進学相談は随時受け付けております。

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