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支援は“施し”ではない|フードバンクとソーシャルワーク
最近、「フードバンク」という言葉を耳にする機会が増えました。
家庭や企業で余っている食品を集め、必要としている人や施設、地域団体へ届ける取り組みです。
食品ロスを減らしながら、生活に困難を抱える人を支える活動として広がっています。
一方で、フードバンクを不要品の引き取り先と誤解し、賞味期限切れの食品や品質に問題のある食品を寄付するケースも見られます。
私は小学生のころ、途上国の子どもたちへ文房具を届ける活動に参加したことがあります。
クラスのみんなで鉛筆やノートを集めて送る取り組みでした。
そのとき、多くの子どもたちは、自分の筆箱に入っている短くなった使いかけの鉛筆を箱に入れていました。
すると先生が、こんな話をしてくれました。
「自分は新しい鉛筆を使い、相手には使いかけの鉛筆を渡すのではなく、新しい鉛筆を届けよう。そして、自分たちは今使っている鉛筆を最後まで大切に使おう」
子どもながらに、その言葉が強く印象に残っています。
福祉や支援というと、「余っているものをあげる」「持っている人が持っていない人に施す」というイメージで語られることがあります。
しかし、本来のソーシャルワークは、一方的な“施し”ではありません。
相手を「かわいそうな人」として見るのではなく、一人の尊厳ある存在として向き合うこと。
そして、「自分だったらどう感じるだろう」と想像しながら関わることが大切です。
フードバンクでも、「食べられれば何でもよい」という考え方ではなく、安心して食べられるもの、相手が気持ちよく受け取れるものを届けようという視点が求められます。
そこには、「余ったものを渡す」のではなく、「相手の暮らしや気持ちを想像する」という姿勢があります。
ソーシャルワークでも同じです。
支援とは、「余っているもの、不要なものを与えること」ではありません。
相手を、自分と同じように尊重される存在として考えることです。
もし自分が受け取る立場だったら、使いかけの鉛筆を渡されたとき、どんな気持ちになるでしょうか。
「これで十分だろう」と思われるのか、
「あなたのことを大切に思っている」と感じられるのか。
そこには、大きな違いがあります。
福祉は、特別な場所だけにあるものではありません。
日常の中で、相手をどう見るのか、どのように関わろうとするのか、その積み重ねの中にあります。
身近な出来事を通して、「相手の立場に立つとはどういうことか」を考えること。
それが、ソーシャルワークを学ぶ第一歩なのだと思います。
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