ソーシャルワーク関連作品紹介/作品(映画)『ロストケア』

アルファ医療福祉美容専門学校 広報企画課

このブログの趣旨等については、ぜひ前回の記事をご覧ください!
映画や小説から考えるソーシャルワークの視点

※本作品には殺人事件を題材とした描写や、介護に関する重いテーマが含まれています。人によっては精神的な負担を感じる場合がありますので、無理のない範囲でご鑑賞ください。

\あらすじ/
ある朝、一人の高齢者が亡くなる。
介護職員として働く男(松山ケンイチ)は、献身的なケアを行う職員として周囲から信頼されていた。しかし、ある事件をきっかけに、彼が多数の高齢者を死に至らしめていた疑いが浮上する。
捜査を担当する検事と彼の対話を通して明らかになっていくのは、単なる犯罪の背景ではない。そこには介護を担う家族の疲弊・孤立・制度の狭間で追い詰められる人々の姿があった。
「これは本当に殺人と言えるのだろうか」
この作品はそう問いかけながら、介護やケアを個人の問題としてではなく、社会全体の課題として映し出していく。

 

\この作品に出会ってほしい人/
・高齢者福祉や介護に関心がある
・ケアを担う家族の現状について考えたい
・制度だけでは解決できない問題に向き合いたい
・“支援とは何か”を改めて問い直してみたい

 

\この作品が問いかけるもの/
この作品は、介護を必要とする人・それを支える家族や支援者が置かれている状況に焦点が当てられていると思います。つまり、日本の現状を描いていると捉えられます。
介護は本来、一人で抱えるものではないはず。しかし現実には、家族だけが責任を負い、助けを求める術や余裕を失っていることもあります。その時に改善すべき点はどこに潜んでいるのか?
介護を受ける人なのか。
介護を担う家族または別の支援者なのか。
そもそもそのような状況を生み出している社会そのものなのか。
ソーシャルワークの視点で考えると、この作品は“個人の問題”に見えるものが、実際は“制度や環境・社会構造の問題”と深く結びついていることを示しているようにも感じられます。
もし、個人やその周囲の人間が尊重され充分な支援があり、かつそれを受容することができたなら。孤立を生まない環境があったのなら。
きっと別の選択肢があったことを、この作品は伝えてくれるような気がします。
作品を見終えた後に残る重さは、事件そのものだけではなく、私たちの社会が抱える問いの重さなのかもしれません。

 

\心に残った一言/
「この世界には穴が空いている。一度入ったら抜け出せない」

これは、ソーシャルワークの大きな課題ではないでしょうか。
地域共生社会の実現が目指されるなか、その道はなかなか容易ではないと感じます。最後の砦とされるセーフティーネット。果たして機能しているのでしょうか?そしてそのセーフティーネットから抜け落ちてしまった人は。
それがまさに、この作品で言う“穴”なのでしょうか。

 

なお、社会福祉士・精神保健福祉士通信科のyoutubeでは、ソーシャルワークの実践的なお話を紹介しています。

決して他人事ではない社会の問題に、少しだけ目を向けてみませんか。

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2026年9月