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鍼灸学科

東洋医学のおはなし~血虚~

今回からは血の病気の状態のおはなしです。

血の病態は、大きく3つに分けられます。

不足した状態の血虚

血の運行が失調した状態の血瘀

熱の状態を受けた血熱   です。

まずは、血虚を見ていきましょう。

 

血虚とは、血の不足あるいはその滋養作用が減退した病態のことです。

症状は、頭部の血による滋養の低下から起こる眩暈・顔面蒼白があります。

血が不足することで脳が栄養不足になり、ボーっとしたり、忘れっぽくなったりもします。

また、目や爪は血(特に肝血)の状態を反映しますので、目がかすんだり視力が落ちたり、爪が変形してしまうこともあります。

筋の滋養にも影響し、しびれやケイレン、つったりといった症状も見られます。

そして血が不足すると、睡眠の状態も悪くなります。寝付きが悪くなったり、眠りが浅いなどが見られます。

女性ですと、月経にもその影響は及びます。

血が不足しているため、経血量が少なくなり、経血色は薄くなります。女子胞といわれる子宮が栄養されなくなるので、月経痛も生じやすくなってしまいます。

 

血虚が起こってしまう原因は次のとおりです。

ひとつは血を作り出す量が減少してしまうこと。もうひとつは血を消耗してしまうことです。

血の材料となる飲食物の摂取不足や、血を作り出すために欠かせない言わば工場のような働きをする脾の機能の低下によって、血を作り出す量は減少してしまいます。

また、大きなケガや手術、出産などで大量に血を失ってしまうと血虚に繋がります。

過労によっても血は消耗してしまいます。

 

血虚を改善したり、また血虚にならないようにするためには、

材料となる飲食物をきちんと摂ること、そしてそれを血にするために脾をはじめとした胃腸の状態を整えることが大切です。

血は睡眠時間に補充されるので、夜の時間帯に十分な長さの睡眠をとることも重要です。