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鍼灸学科
東洋医学のおはなし~精と血の関係~
前回より、生理物質の相互関係について書いています。
今回は、精と血の関係についてです。
精も血も飲食物から得られる水穀の精微から作られます。
そして、精は血を生じ、血は精を生じるという相互転化の関係にもあります。
肝は精が不足すると、肝血を精に化生してその不足を補います。
反対に、精は血が不足すると、腎精を血に化生してその不足を補います。
この相互に補い合う関係性から、「精血同源」と言われます。
このように、精と血は生理的に密接な関係があります。
そのために、病理的にも関連して症状が出現しやすいといえます。
例えば、血が不足したり血の作用が低下した血虚のときには、精虚(腎精不足)に波及することがあります。
精虚(腎精不足)から、血虚に波及することもあります。
肝血が不足すると、目のかすみや足をつりやすくなります。
腎精が不足すると、腰がだるくなったり、耳鳴や難聴が出たりします。
これらが一緒になって出現してくることになります。
血虚と精虚(腎精不足)の症状が同時に存在する精血不足という病証もあります。