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鍼灸学科
東洋医学のおはなし~精の作用~
今回は、精の作用についてご紹介します。
1つ目は、生殖という重要な作用です。
人が子孫を残していく上で欠かせないことですよね。
身体が大きく成長していく過程で、男女ともに生殖能力が備わっていきます。
つまり、子どもを産むための身体の変化が起きるということです。
思春期あたりになると、ホルモンの分泌等により二次性徴が始まり、女子でいうと月経が始まるなどの大きな変化が生じます。
これらの変化は、東洋医学では特に生殖の精が関わってきます。
生まれてから、精との関わりが特に深い腎という臓腑の機能が徐々に盛んになり、一定程度まで達すると生殖機能の成熟を促す物質が作り出されます。
これを天癸(てんき)といいます。この天葵が産生されていくと、生殖機能が備わってくるのです。
男性は8の倍数に、女性は7の倍数に身体に大きな変化がおこるということを聞いたことがあるかもしれません。
男子は16歳、女子は14歳のときに天葵が産生されて生殖機能が高まっていくとされています。
https://www.yomeishu.co.jp/x7x8/より引用
2つ目は、滋養という作用です。
精は、陰としての働きをもち、人体の組織や器官を滋養しています。
3つ目は、気や血への化生です。
精は必要に応じて、他の生理物質である気や血に変化をします。
精の量が気血の量に影響しますし、反対に気血の量の変動も精の量に影響します。
4つ目は、神(しん)の維持です。
神は生命活動の総称です。
臓腑、生理物質、精神活動の機能が統合された情報として現れたもののことで、この神が乱れたり傷つけられたりすると身体の正常な働きが保てなくなっていきます。