ブログBlog
鍼灸学科
東洋医学のおはなし~精について~
生理物質の最後は、精についてです。
精とは、人体の構成をするための最も基本的な物質です。
主な役割は次の通りです。
・組織、器官など身体を滋養する働き
・他の生理物質(気や血)へと変化したり、作り出したりする
・生命活動そのものや精神活動のことを指す、神(しん)を維持する
生きるうえで、活動するうえで、めちゃくちゃ大事なものです。
精が作られる過程は2つあります。
ひとつは、両親から受け継いだ先天の精です。
父母からそれぞれもらい、生まれながらに持っている精で次世代に継承していくものです。
腎に貯えられ、人体の成長や発育の源となっています。
生まれながらに量が決まっているので、生活する中でこの先天の精が増えることはありません。
そこで先天の精が枯渇してしまわないように、日々補っているのが、
ふたつ目の後天の精です。
後天の精は、飲食物を摂ることによって絶えず補充されています。
気・血・津液の時も出てきましたが、食べ物から常に作り出していくことが大切です。
今後、精の病態もご紹介しますが、簡単に説明すると、
先天の精が不足していると、小児の成長不良や発育不良につながりますし、
後天の精による補充も充分でない状態が続くと、生殖機能の減退や白髪・脱毛・歯や骨の軟弱化・難聴・健忘・尿漏れといったいわゆる老化に伴う症状につながります。
精の働きなど、次回以降くわしく紹介します!!