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鍼灸師にも必要な介助技術
2学期に入って2年生は実習真っ盛りです。
先週金曜日は社会福祉法人いきいき福祉会ラポール三ツ沢より鈴木正貴施設長に来ていただきました。
鈴木先生は当校介護科の1期生、すなわち卒業生でもあります。
福祉施設での現場実習を控え、
前半の講義では日本の人口動態と福祉の現状、介護保険制度の概要、
介護の現場はこれからどう変わっていくのか?
そこに鍼灸師はどう関わっていけるのか?
後半の実技では訪問鍼灸を想定し、
現場で必要な介助技術をロールプレイで実践・体験するプログラムです。
社会人経験者の中には福祉現場から鍼灸の世界へ来られた学生さんもいますが、
高校卒業で入学してきた学生さんたちを始め多くが知らない福祉の世界。
今や労働人口は年々減り、老年人口は増え続け、少子化は進み続ける中で
介護の仕事は徐々にAIやロボットが人に取って代わりにはじめ、
さらには日本人よりも優秀な外国人労働者の流入により、
介護職も飽和状態になっていること。
そんな中で生き残っていくには
他の人とは違う特化した技術を持つ、
いわばスペシャリストにならなければいけないこと。
そのようなお話がありました。
鍼灸師も同じですね。
こうして老年人口が増え続ける中では「訪問鍼灸」という働き方があります。
往診での鍼灸治療ですが、これから増加していく可能性があります。
鍼灸院まで来られない理由としては様々ですが、
自由診療は別として、特に医療保険を用いる場合には移動が難しい患者様がいらっしゃいます。
そういった患者様に対応する場合、
当然ながら体位変換やベッド移乗などの際の介助技術は不可欠になります。
昔の介護は力任せで介助者9:利用者1の力で行っていたものが、今は介助者1:利用者9と、
利用者に残存している機能を十分に発揮させ、
介助者の力を最小限にして、利用者に「自分で」動いてもらうかだと言います。
まず椅子から立ち上がるという動作を分析し、
どうすれば小さな力で介助ができるか?
さらに利用者の心理として、「自分でできない」と思わせないこと、
言葉がけの仕方ひとつで介助の負担は変化すると言われます。
さらに高齢者の片麻痺の方を身体状態を体験し、
その患者様に対しての介助技術を学びました。
肘や膝をテープで固定し、手首足首に重りをつけ、
さらに視野狭窄の状態と手袋による知覚障害を体感。
歩行がフラフラ
階段の上り下りがかなり難しいことが分かりました。
その状態をどう介助するか?
動く側の手や足をうまく使ってもらって、
介助者が少し手を添える程度で寝返りから座位まで持っていく…
初めての体験に会場はかなり盛り上がっていて、
2年生はこの実習がかなり楽しかったようです
最後は介護の現場の理解として
ケアマネージャーを中心とする介護保険のシステム、
特にモニタリングの重要性についても触れていただきました。
今、介護の現場には看護師、理学療法士、作業療法士だけでなく、
柔整師、あんま指圧マッサージ師に加え、
鍼灸師も機能訓練指導員として参加できるようになりました。
医療と福祉の境目がなくなっていく、そんな世の中になっていくのであれば、
鍼灸師が介助技術を学ぶのは必須になっていくのかもしれませんね。
(文責/撮影 寺田)
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