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東洋医学のおはなし~血瘀~
血の病態、今回は血瘀についてです。
「けつお」と読みます。
「瘀」とは、淀んでいる状態のことを指します。
血の運行が上手くいかなくなったり、停滞して起こっている病態を血瘀と言います。
流れが滞ってしまったことで作り出される、病理産物のことを瘀血と表現します。
様々な原因によって、血の運行が妨げられることによって血瘀が生じます。
血が順調に流れるためには、気の働きが欠かせません。
気には推動作用という、血を含む生理物質を押し動かす作用がありました。
ですので、気が足りなかったり(気虚)、気が滞ったり(気滞)すると血の流れも悪くなります。
血そのものの量が減ってしまうと(血虚)運行も低下してしまいます。
ホースを通る水をイメージしてみると、ホース内が適正な量の水で満たされている方が水の出は良いですよね。
打撲や捻挫といった外傷によっても、血が血脈から漏れ出して滞りを生み出してしまいます。
また、体内に熱が過剰にあると、液体である血は損傷され粘稠度が増して滞ります。
液体が熱せられると水分が蒸発し、ベタベタになってしまいますよね。
体内に寒・冷えが過剰にあると、温煦・推動といった作用が低下し、気血の流れは停滞します。
血瘀の際の症状は、痛みとして出現することがよくあります。
同じ場所が(固定痛)、刺すように(刺痛)痛むことが多くあります。
夜間に痛みが強くなる場合もあります。
また、血が滞っているために舌の色が紫色や暗紅色になります。
皮膚の滋養も十分にできなくなるので、シミや色素沈着、ひどくなると肌膚甲錯(サメ肌)といってザラザラとしてしまいます。
女性に限られますが、血瘀の場合月経痛として現れることもあります。
固定痛や刺痛のようにキツイ生理痛で悩まされている方はもしかすると瘀血が生じているのかもしれません。
血塊が多いことも瘀血の可能性が高いです。
瘀血の症状は、皮膚にも現れやすいですので、美容鍼灸へ取り組むときも重要なポイントとなります。
鍼灸で瘀血に対処するときは、大元の原因を解消するとともに、血海や膈兪といった血に関わりの深い経穴を選択します。
セルフケアとしては、食事の見直しも大切ですし、冷えを避けたり、ストレッチで血の流れを促してあげることも大切です。